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大阪・関西万博でおにぎりを握っているのは人じゃない 象印が展開するおにぎり専門店を支える鈴茂器工のおにぎりロボット

2025.05.12

開幕当初こそ混乱や課題が取り沙汰されたものの、実際に足を運んだ人々からは「意外と楽しい」「また行きたい」といった前向きな声も多く、徐々に盛り上がりを見せ始めている大阪・関西万博。SNSを見ると、万博内での食事についての投稿も多く、普段は食べられないグルメを楽しんでいる様子がわかる。

その中で日本を代表する食事として注目したいのが、象印マホービンが展開するおにぎり専門店「ONIGIRI WOW!(オニギリ・ワウ!)」。ここで提供されているおにぎりを握っているのは、なんと人ではなくロボット——鈴茂器工株式会社の「ふんわりおむすびロボット」がその役割を担っているというから驚きだ。

日本各地や世界の食材をつかったおにぎりを販売

象印マホービンは、一般社団法人 大阪外食産業協会のパビリオンにおにぎり専門店「ONIGIRI WOW!」として出店し、当社最上位モデルの炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊き上げたごはんで作るおにぎりを販売中。

画像出典:象印マホービン株式会社のプレスリリース(2025年5月8日発表、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000206.000006490.html)

万博を契機に、おにぎりを通じてごはんのおいしさを国内外に発信していきたいと、6ヵ月間の会期中、約1ヵ月毎に4種類ずつ期間限定で販売している。

人がおむすびを握る工程を研究し、完成した「ふんわりおむすびロボット」

画像出典:鈴茂器工のプレスリリース(2025年4月9日発表、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000067066.html)

「ふんわりおむすびロボット」は人がおむすびを握る工程を研究し、“ふんわり”と仕上げることにこだわった製品だ。システムとの連携により、ツーオーダー(注文を受けてから調理し、出来立てを提供)にも対応可能で、“ふんわり”とした“温かい”“おいしい”おむすびを届けたいという想いが込められているという。

鈴茂器工が寿司ロボットやご飯盛り付けロボットで培ってきたご飯一粒一粒を傷めることなく攪拌し、空気を抱くようパラパラと成形・計量する技術を継承し、1時間360個という一定のペースでおにぎりを安定して握っていく。注文を受けてから調理するため、必要な分のみ生産。フードロスの削減も意識している。

万博という舞台で、おにぎりという素朴な日本の食文化がロボットによって提供されるのは興味深い。技術と日常が交わる様子からは、日本の伝統と未来が同居しているようにも感じる。まさに万博らしい挑戦と言えるだろう。

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