50views

ノンアルコール市場は引き続き拡大傾向 健康志向は今後も継続か

2024.10.12

ここ数年で急成長しているノンアルコール市場。アルコールを含まないビール、ワイン、カクテル、スピリッツなど、従来のアルコール飲料に代わる製品が多様に登場し、選択肢が広がっている。

画像出典:アサヒビール株式会社「アサヒゼロ」公式ホームページ

アサヒビール株式会社が4月9日に全国発売したアルコール分0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料「アサヒゼロ」の販売数量は、7月に上方修正した年間販売目標120万箱を10月10日に突破。販売好調を受けて年間販売目標を当初の2.5倍となる150万箱に再上方修正された。「アサヒゼロ」は一度ビールを醸造した後にアルコール分を完全に取り除く「脱アルコール製法」により、アルコール分0.00%でありながら本格的なビールらしい味わいと飲みごたえを実現。消費者からは「これまでのノンアルコールビールとは段違いにおいしい」「まるで本物のビールみたい」と好評だという。

健康志向の高まりとともに飲み方の自由が浸透

画像出典:ハイネケン・ジャパン株式会社のプレスリリース(2024年10月1日発表、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000124676.html)

日本発売1周年を迎えたのは2023年10月に日本初上陸したノンアルコールビール「Heineken® 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」だ。同商品は、2017年の販売開始以来、ノンアルコールビールとしては世界No.1の売上を誇っていたが、現在では日本を含む世界114カ国にて販売を拡大。2023年も世界No.1を獲得した。さらに日本での2024年7月の販売量は同年1月の約8.5倍(852%)という伸びを示し、特に20代〜30代の若年層やビール愛好家から支持を集めている。「アサヒゼロ」と同じく「脱アルコール製法」により本物のビールと遜色のない味わいだ。

ハイネケンが行った消費者動向リサーチGlobalData 2023によると、調査に参加した世界の消費者のうち、約46%が自分の肉体的な健康に不安を持ち、約43%が自分のメンタルの変化に不安を持ってた。そして81%がアルコールの消費を以前よりも控えるようになったとも回答。さらに73%が健康のため、70%が健康的なライフスタイルの維持のためお酒の消費を以前よりも減らしていたことがわかった。お酒を控えるという選択がしやすくなったのはノンアルコール飲料が増えたおかげだろう。心や身体の健康のために飲酒の頻度や量を減らしたり、アルコールを摂取しない期間を設ける「ソーバーキュリアス(sober curious)」ムーブメントの影響もあると言える。選択肢が増えていくことで、飲み方の自由も広がっていくだろう。

Related