
ネスレ日本が8月25日に発表会を開催した、「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」の新モデル「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ kotone(コトネ)」。2026年10月1日の発売を予定する同製品は、プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインを担当しています。

2009年に登場した「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」は、ワンタッチで本格的なコーヒーを楽しめる手軽さから支持を集め、累計約680万台を出荷(2025年12月末時点)。今回の「kotone」では、シリーズ史上最高レベルの静音設計に加え、よりスリムになった本体や、付け替え可能な「コーヒータンク」などが採用されました。
発表会には、ネスレ日本の吉永祐太氏、栗山真由子氏、プロダクトデザイナーの深澤直人氏、チームラボの堺大輔氏が登壇。製品開発の背景や、これからのコーヒー体験についても語りました。
その中で深澤氏が語ったのが、「日常の中に自然に溶け込むデザイン」へのこだわりです。

「シンプルで美しいデザインを依頼されることが多い」と話す深澤氏。しかし、単に要素を削ぎ落とせばシンプルなデザインになるわけではありません。
「完成させるためには、機能的なことや使い方など、いろいろな要素を含めて考えないといけない。目立つことも必要ですが、目立たなくなっては困る。そうしたことを考えながら要素を削ぎ落とし、シンプルな形でありながら『ネスカフェだな』という特徴がわかる、非常に洗練された形にしたかった」
目指したのは、キッチンの中で過度に存在感を主張することなく、それでいて置いてあるだけで美しく見える存在です。

「きれいなキッチンに置いてあっても、家族が集まるダイニングにあっても様になる。そうなってほしいと思っていました。ブランド本来のクオリティを上げていくということですね」
機能を詰め込んで存在感を増すのではなく、必要なものを見極めながら形を整える――。「kotone」のデザインには、そんな深澤氏ならではの考え方が込められています。
「どんな存在になってほしいかというと、日常の中に自然に溶け込み、生活のクオリティを上げてくれるものですね」
コーヒーメーカーは「好みの一杯」を楽しむためのプラットフォームへ
では、これから家庭で使われるコーヒーメーカーは、どのような役割を担っていくのでしょうか。
深澤氏は、コーヒーの「おいしさ」を追求するだけではなく、そこから新しい飲み方や文化が生まれていく可能性に注目しています。
「コーヒーの味や好みもある。それをできるだけおいしく抽出する、その技術もある。一方で、趣味として『おいしく淹れたい』という文化もあります。それだけでなく、コーヒーを使って違う飲み方をする文化も育っていくと思う」
例えば、コーヒーにお酒やソーダを加えるなど、自分の好みに合わせて味わい方を変えていく。深澤氏は、これからのコーヒーメーカーを、そうした自由な楽しみ方を広げる「プラットフォーム」と捉えています。
「自分の好みに合わせた味にする。こういう考えに変わっていくためのプラットフォームが、今、出来上がっていくところだと思います」
アプリと連携し、好みに合わせて味わいを細かく調整できる「kotone」は、まさにこうした新たなプラットフォームの考え方を具体化したものといえます。
自身は「カフェラテがすごく好き」だという深澤氏。ただ、仕事柄、会議などでコーヒーを飲む機会が多く、「牛乳を取りすぎてはいけない」と最近はカフェラテを控えているといいます。そこから話は、コーヒーの楽しみ方そのものへと広がりました。
「イタリアではエスプレッソにお湯を加えたものをアメリカーノと呼ぶ。そういう歴史的、文化的な背景を知るのも面白い」
そして最後に、コーヒーという飲み物が持つ、もっとも身近な価値について、こう語りました。
「コーヒーはやっぱり、休憩、一服するときのものですから」

単にコーヒーを淹れるための家電ではなく、暮らしの中に静かに佇み、日々の「一服」の時間を支える存在へ。「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ kotone」は、デザインと機能の両面から、家庭でのコーヒーとの付き合い方をあらためて考えさせる一台となりそうです。
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