東京ビッグサイトで2024年5月15、16日に開催されたグローバルイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」。持続可能な新しい価値を生み出すためのイベントです。世界が直面する課題へ立ち向かうためのテクノロジーやアイディアが集まるこのイベントで、生活には欠かせないフードテックの領域も盛り上がった。
人工光型植物工場の開発を行う「PLANTX(プランテックス)」
人工光型植物工場の企画や設備導入・立上げ・運営サポート、植物の栽培条件に関する研究や植物の生産・販売などを事業としているのが「PLANTX(プランテックス)」。これまで、植物の主な栽培環境は、露地、ハウスなどの施設、太陽光型植物工場、の3つだったが、近年日本を中心に発展しているのが「人工光型植物工場」だ。寒冷・熱帯・乾燥地帯でも新鮮な野菜が採れる、洗浄せずに安心して食べられる、クリーンさの価値などがメリット。社会課題の解決と持続可能な新しい産業として、次世代型クローズドタイプの植物栽培装置を用いた野菜の生産をSushi Techで提案した。
減少しつつある海藻をよみがえらせる「シーベジタブル」
合同会社シーベジタブルが提案するのは、海藻の新しい食べ方。磯焼けにより減少しつつある海藻の研究、環境負荷の少ない陸上栽培と海面栽培によって蘇らせる事業を行っている。日本の海域に生息するのは約1500種類を超える海藻だが、実際に食卓に並ぶのは数十種類。そこでシーベジタブルは日本中の海に潜り海藻採取・分類を行っている専門家、藻類の種苗生産に長年取り組んできた研究者、水質や栄養分析の専門家など各分野の専門家と連携し基礎研究から栽培技術の確立。世界初の地下海水をつかった青のり陸上栽培も実現させている。
玄米食の課題を全て解決することをコンセプトに「AGBIOTECH」
アグリバイオ分野を牽引し、その発展をもって持続可能な明るい未来の実現を目指しているAGBIOTECHグループ。Sushi Techではその事業のひとつである自社開発商品「穂稀 自然栽培熟成玄米パック」の展示を行った。天然の完全食と呼ばれるほど豊富な栄養を含んでいる玄米。近年では生活習慣病対策として期待されている。一方で「ぬかに付着した残留農薬」「浸水などの調理の手間」などの問題もあり、AGBIOTECHグループはこの「玄米食の課題を全て解決する」ことをコンセプトに「穂稀 自然栽培熟成玄米パック」を開発した。自然栽培玄米を使用することで、玄米食ぬかに付着した残留農薬の問題の解決。さらに、すぐに食べられることで浸水などの調理の手間の解決も実現しているという。
NASAの垂直農法技術を導入 「Arctic Farming」
Arctic FarmingはNASAの垂直農法技術を導入。主力製品として、ホテルやレストランで新鮮なハーブや特殊作物を自律的に栽培する冷蔵庫サイズのユニットがある。植物の種類に応じて、最適な生育環境を維持。電気と水だけで一年中新鮮な食材を調達できkる。将来的には宇宙飛行士のために食料を栽培することをが目標だという。また、アジア市場への進出も現在検討中で、日本はハイレベルな飲食業とホスピタリティ文化、垂直農法などの技術に対する需要から大きな市場となると予測されている。
フレーバーも豊富 食べられるカトラリー「Edible Cutlery」
オーストラリア生まれの「Edible Cutlery」。西オーストラリアで使い捨てプラスチックの使用が禁止されたことで、おいしくて楽しいカトラリーを代替品としようと誕生した。チョコレートやチーズ味など様々なフレーバーがあり、フォークやスプーン、ストローなどがラインナップされている。最後はカトラリーまでキレイに食べられるというわけだ。廃棄物を減らすことはもちろん、カトラリー自体にも栄養価があり、外食文化での貢献を目指している。
多くの最新技術が集まった「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」。フードテックの領域だけでも、様々なテクノロジーを見ることができた。持続可能な社会の実現のため、今後も注目していきたい。
すべてのコメントを見る